「越境者 松田優作」by松田 美智子

ここ数日、またまた「大掃除の神の降臨」と「勘が当たりまくり」の毎日でして・・ドタバタしておりましたのです。

そんな時にオヤジ雑誌で出会った書評。なぜかとっても気になってアマゾンで注文してしまいました。

「越境者 松田優作」 by 松田美智子

著者の松田美智子さんとは、俳優の故松田優作さんの元の奥様です。今現在、テレビに出てられる息子さん達(龍平さん・翔太さん)のお母様の美由紀さんじゃなくて、シナリオやノンフィクションを書かれてられます方です。ちなみに「ペンネームじゃなくて本名です」

ご存じ無い方もおられるかもですが「法改正になって、離婚後も旧姓に戻らずに、結婚後の旦那様の姓をそのまま名乗り、新戸籍を作る事が出来るようになってます」

ですから昔?のように「離婚したら、必ず旧姓に戻り実家の戸籍に戻る」のではなくて、「結婚後の姓をそのまま名乗り、その名前の単独新戸籍を作る事が出来る」のです。

松田美智子さんの場合は、「優作さんご自身の意思で新戸籍を作り、お嬢様とともに新戸籍となり、そのまま松田姓を名乗ってられる」そうです。

昔と違って「女三界に家無し」みたいに、結婚前は「実家の戸籍」結婚後は「旦那様の戸籍」離婚後は、元の「実家の戸籍」に帰るのでは無くて、「旦那様の姓のまま新戸籍」となるのですね~・・

もっとも、松田さんの場合は「ご主人の意思」も有りますが、知り合いの場合はずっと家庭内別居、長い間、一方的にご主人を罵り続けて、挙句に別れた奥様が「旦那様と同じ姓を名乗ってて、旦那様は怒り心頭」と言うケースも有りますが・・

閑話休題。

この本の何が私を惹きつけたか・・

勿論、私は以前から「松田さんが帰化した方」だとは知っておりましたが、私自身が「区別した感じ」を持たない人なので、「どうしてそんなに松田さんご自身が問題視されるのか?」判らなかったのです、正直な話。

なぜならば、私自身が物心付く頃から幼馴染は殆どアメリカ人や欧米人の子供達(住まいの回りが、殆どアメリカ人でしたから・・アメリカの軍関係者じゃなくて、牧師様や企業にお勤めのアメリカ人やヨーロッパ人でしたが)

今でも、言葉が通じなかったはずの彼らとどうやって遊んでいたのか思い出せません。なんとなく、おままごとしたり縄跳びしたり隠れんぼしたりしていました。

少人数(1学年20人)の小学校には、ドイツ人や黒人やアメリカ人の人などが、クラスメイトや先輩にいて、皮膚の色や言葉など意識する前に友達だった私です。幼い頃の大親友は、ドイツ人のヘXガちゃんでしたし、台湾のミXちゃんでした。

その後、娘二人を小学校卒業とともに英国にやって10年以上、下の子はまだ異国にいる状態の私には「国籍・肌の色」など意識していては、やっていけない立場なのです。

現実問題として、娘達のの結婚相手の「国籍」や「肌の色」だって、当然「違う方との縁組」だって、可能性は大いに有るのが今の我々なのだから、「差別はいけない」とかの「机上の空論」や「奇麗事」だけじゃないのですよ

「招かれざる客」と言う映画が有りまして、「差別反対論者の父」と「それを真に受けて「黒人青年を婚約者として連れてくる娘」

その父親の「自分自身気が付かなかった本音と建前に揺れる自己」じゃないですが、私の場合は「差別反対」とかの建前も何も有ったものじゃない状態ですから

本当に「差別感」とか有ったらやってられませんよ、マジでね。ですから、この中に出てくる「桃井かおりさん」に感覚が似ているかもです。

と話を本に戻して。

特に松田優作さんの生前の口癖「俺がちゃんと見ているものを、お前たちは見ていない。アンテナを張りめぐらせていれば、絶対に引っ掛かるものを、見過ごしている」

これなんか、同感の嵐です。勿論、私のようなものと松田さんの見え方は違っているのでしょうと思えますが、私のような者ですら「なぜ見え無いのだろうか?答えは、何処にでも転がっているのに」と思う事はしばしばですから、彼のように「鋭い感性」の方ならば、もっともっと感じたと思えます。

「奇麗事が嫌いで、スマートなイメージが作り上げられようとしたときには、積極的にぶち壊そうとする男だった。明るい場所よりは暗く湿った場所を、直線よりは歪み、屈折の方に興味を持っていた」判るな~と思ってしまいました。

作者は語ります。

「マスコミ向けのあたりさわりの無いエピソードではなくて、ごく身近にいたからこそ感じた愛憎入り混じる本音」

「彼をおとしめるつもりも、過剰に褒めるつもりもない。描くのは松田 優作と言う俳優の人生だが、何も持たないというよりは、むしろ厄介な負を抱えて出発し、伝説化されるほど忘れ難い軌跡を残した一人の男の人生でも有る」

確かに、作者は淡々と事実と思える事を語っていきます。

おそらく「松田 優作さんを偶像視」している方には、耐えられない描写も有るかもしれません。ですが、私には「なるほど。そうだろうな~」と理解出来る事ばかりでした。

と同時に、トンガって表現する「苦しみ・せつなさ」でも「喜び・感動」を身内に抱えたまま「芝居する苦しみ」を持つ松田 優作さんの生き様が胸に迫ってきました。

私は「松田優作さん」のファンでもなんでもないです。

映画も映画館では見た事は無く、テレビでドラマを見るくらいでした。でも、断片的な情報として、国籍の問題やら何やら聞いてはいました。

ですが、そんな事と彼の「成し遂げた事」とはなんらの関係も無いと思ってましたのです。

この一冊の本は、作者が書いているように「美化もしていなければ貶めてもいない」等身大の「松田 優作さん」が描かれています。

そして、やはり「何かが優れている人は、何かが欠けている」と言う私の自論は、当てはまっていたようです。

彼の「早過ぎる死」をともすると美化しがちな風潮ですが、この方はしっかりと現実を見据えておられます。

映画に対する姿勢など、読んでいても凄く面白かったですね。

桃井かおりさんの「仕事は才能が有るからやってるんで、唐十郎の言葉じゃないけど、いい人なんて腐るほどいるじゃないの。才能なきものは去れ、なんだよ確実に」と言う厳しい世界が芸能界なのだと思えます。

そう言う世界に身を置く剛君達なんですよね~

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